北斗の拳考察 雲のジュウザのラオウとの命懸けの激闘は完全に裏目に!
雲のジュウザはラオウを止めるためにラオウと命懸けで戦った
五車星・雲のジュウザは、南斗六聖拳最後の将=ユリアに
「わたしのためにおまえの命がほしい」
「わたしの願いをきいてくれぬか」
と頼まれると
「よかろう! この雲のジュウザの命 あんたにくれてやる!!」
と応え(北斗の拳13巻 翔べよ雲!の巻)その命を賭けてラオウと激闘を繰り広げ、散っていきました。
ジュウザが命を賭けてラオウと戦ったのは、南斗六聖拳最後の将であるユリアのところにケンシロウよりも先にラオウを行かせないようにするためでした。
ジュウザは命尽きるまで南斗六聖拳最後の将がユリアだという事を明かさなかったが…
ジュウザは、ラオウとの激闘の終盤に意志とは無関係に口を割ってしまう秘孔開啞門天聴(ひこうかいあもんてんちょう)を突かれ、南斗六聖拳最後の将が誰なのかを言わされそうになりますが…
それでも最後の最後、命尽きるまでついに南斗六聖拳最後の将がユリアだという事を明かすことはありませんでした。
ジュウザが、口を割らなかったのは、もしもラオウが、南斗六星拳最後の将の正体がユリアだと知ってしまえば、ラオウが必ずやユリアを奪いに行こうとするのがわかっていたためです。
ですが… 元々、南斗六星拳最後の将が誰かなどという事を知ろうなどとは全くしておらず…
ユリアが実は生きていたという事も全く知らなかったラオウに南斗六星拳最後の将が誰かという事に関心を持たせてしまい…
あろうことか、結果的に南斗六聖拳最後の将がユリアだということを気づかせてしまったのは、実はジュウザら五車星の男たちだったんですよね!
雲のジュウザら五車星の男たちがラオウに対してした事が完全に裏目に出てしまっていた件
ジュウザの執念が結果としてラオウに南斗六聖拳最後の将がユリアだと悟らせる事に!
ラオウとの激闘によって絶命必至となったジュウザは、命尽きる前にラオウの腕一本でも奪おうと執念を見せますが…
ジュウザがそれほどまでの執念を見せたためにラオウは、ジュウザにそこまでさせる南斗六星拳最後の将とは誰かということが気になり始めてしまったんですよね!
そして、自分から腕一本奪おうとしているジュウザにラオウが
「きさまのその執念!! いえ!!将とは 南斗六星最後の将とはなに者か!!」
と問うと、ジュウザが
「だ…だれがいうか-っ!! 知れば疾風となって将の下(もと)へ走る天を握ったきさまが最後に望む者がわが将!!」
などと言ってしまい… なおかつ、最後の最後、命尽きるまで天晴れな戦いぶりを見せてしまったためにラオウは、南斗六星拳最後の将がユリアだということを悟ってしまいました!(北斗の拳14巻 流れ去る雲よ!の巻~いざ将の下へ!の巻)
ラオウに南斗六聖拳最後の将に会いたいと思わせてしまったのは五車星・炎のシュレン
前述しましたように南斗六聖拳最後の将がユリアだとラオウに悟らせてしまったのは、雲のジュウザでしたが…
ラオウに南斗六聖拳最後の将に会いたいと思わせてしまったのは、五車星・炎のシュレンでした。
炎のシュレンは、ラオウと戦い始める前にラオウとの間で
ラオウ:「炎… 動いたのは うぬだけか」
シュレン:「………いいや 山はすでに動いている」
ラオウ:「そうか ケンシロウに向かったか だが拳王と同じくケンシロウは倒せぬぞ」
シュレン:「いいや 倒すのはきさまひとりだ 拳王!!」
ラオウ:「なにィ!!」
シュレン:「きさまも知っていよう 南斗北斗は表裏一体 真の天下平定は両者一体となった時に初めて成就すると」
ラオウ:「ぬう!! ならば南斗六聖拳最後の将は この拳王よりケンシロウを選んだのか!!」
などといったヤリトリをしていました。(北斗の拳13巻 北斗を呼ぶ光の巻)
そして、自らの全身を燃やし、ラオウを道連れにしていこうとしたシュレンが
「将の わが将の永遠の光!! ケ…ケンシロウならば光り輝く さ…されど拳王!! きさまが前に立てば わが将の星は涙に塗れる!!」
「そ…それだけは!! それだけはさせぬ!!」
などと言ってしまっていたために(北斗の拳13巻 執念の炎!の巻)それまで南斗六聖拳最後の将のことなど特に眼中になかったと思われるラオウが…
自分よりもケンシロウを選んだという南斗六聖拳最後の将に会ってみたいと思うようになってしまいました。(北斗の拳13巻 流れる雲のように!の巻)
ジュウザたち五車星がラオウをユリアのところに導いてしまった!
南斗六聖拳最後の将ユリアに仕える五車星の男たちは、ラオウの命を奪い、それができなければ、せめてラオウの行進を止め…
ラオウがユリアのところに辿り着いてしまう前にケンシロウをユリアに合わせようとし、そのために風のヒューイ、炎のシュレン、雲のジュウザが命を落としていたわけですが…
そもそも彼らが、ラオウに対して何もしなければ、ラオウが南斗六聖拳最後の将ユリアのところへ行こうとする事はなかったわけで…
ジュウザたち五車星の男たちが、自らの命を捨て、ラオウと戦ったことは、結果として完全に裏目に出てしまったと言わざるを得ません。
【北斗の拳考察 その他の記事】
※この記事は集英社刊ジャンプコミックス・武論尊・原哲夫著「北斗の拳」1~27巻を資料にしています。
本文中( )内に北斗の拳○巻 ○○○の巻とある場合は該当巻・該当話を参照したことを意味します。