鬼滅の刃考察 煉獄杏寿郎の名前について考える
煉獄杏寿郎の苗字となっている「煉獄」とは地獄のことではない
炎柱・煉獄杏寿郎の苗字となっている「煉獄」とは、いったいどんな意味を持つ言葉なのでしょうか?
「煉獄」の「獄」という字は「地獄」の「獄」という字ですから、「煉獄」とは「火炎地獄」のことではないかと思っている方も多いかもしれません。
「るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―」には「煉獄」という名の大型鋼鉄艦が登場しましたが…
この大型鋼鉄艦「煉獄」は国盗り(国家転覆)を企てていた志々雄真実(ししおまこと)が東京を奇襲するために用意したものであり…
もしも「煉獄」が「火炎地獄」を意味する言葉だったら、この大型鋼鉄艦の名としてピッタリだったのではないかとも思えます。
ですが… 確かに「煉獄」とは死者の魂が行くところではあるようですが、「地獄」とは全く異なるところのようです。
「地獄」ではないならば「煉獄」とは何なのか?
カトリック教会では、「煉獄」とは、「天国」と「地獄」の中間的なところの一つとされていて…
「天国」へと行けず、「煉獄」へやって来た者は、苦罰によって罪を清められた後、「天国」へ向かうとされているようです。
炎柱はなぜ「煉獄」の名を持つようになったのか?
炎柱・煉獄杏寿郎はなぜ「煉獄」という名となったのか?
では… 炎柱・煉獄杏寿郎はなぜ「煉獄」という名をつけられたのでしょうか?
「煉獄」という言葉は、前述しましたように「天国」と「地獄」の中間の場所であり、「地獄」ではありません。
ですが、「煉獄」の「煉」という字の中に「火」があり、なおかつ「煉獄」の「獄」という字は「地獄」の「獄」ですから…
そこから連想される「火炎地獄」をイメージし、「鬼滅の刃」の作者・吾峠呼世晴さんは炎柱に「煉獄」という名をつけたのでしょうか?
おそらくそれはないだろうと思います。
煉獄杏寿郎の母の名は瑠火(るか)ですが…
この瑠火という名の元になっているのは、「新約聖書」の「ルカによる福音書」と「使徒行伝」の著者とされているルカではないかと思われます。
「新約聖書」の著者の一人とされるルカの名が、煉獄杏寿郎の母の名の元になっているくらいならば…
煉獄杏寿郎の「煉獄」も、「煉獄」という言葉がカトリック教会で「天国」と「地獄」の中間とされていることを踏まえ、つけられたと考えるべきなのではないでしょうかね?
煉獄杏寿郎の「煉獄」とは罪を清めることを意味をしている!?
鬼殺隊の隊士たちは、鬼を倒し、滅することによって鬼になってしまった者たちの罪を清めているとも解釈できますから…
カトリック教会では「煉獄」は罪を清めるところですが、煉獄杏寿郎の「煉獄」の名には、そこから転じた「罪を清める者」といった意味が込められていたのかもしれませんね!?
※この記事は集英社刊ジャンプコミックス・吾峠呼世晴著「鬼滅の刃」1~23巻、「鬼滅の刃公式ファンブック鬼殺隊見聞録」、「鬼滅の刃公式ファンブック鬼殺隊見聞録・弐」などを資料にしています。
本文中( )内に鬼滅の刃○巻 第○話とある場合は該当巻・該当話を参照したことを意味します。