蛇鬼の生贄になるはずだった伊黒小芭内が蛇柱になった 鬼滅の刃考察
蛇鬼の生贄にされるはずだった伊黒小芭内
伊黒小芭内は生まれた時からずっと座敷牢に閉じ込められていました。
蛇鬼が人の命とともに奪った金品で生計を立て、その代わりに赤ん坊が大好物の蛇鬼に自分たちが産んだ赤ん坊を生贄としている一族の家に生まれたためです。
伊黒小芭内が赤ん坊のうちに蛇鬼に喰われなかったのは、女ばかり生まれる家に三百七十年ぶりに生まれた男の子だった上に風変わりな目をしていたために…
蛇鬼に大層気に入られ、成長して喰える量が増えるまで生かされていることになったためでした。(鬼滅の刃22巻 第188話)
蛇鬼に口を斬り裂かれていた伊黒小芭内
十二歳の頃にもう少しだけ生かされることになった伊黒小芭内は、彼の口を自分と同じ形に揃えることにした蛇女によって口を切り裂かれました。(鬼滅の刃22巻 第188話)
伊黒小芭内が、いつも包帯で口を隠していたのは、そのためです。
鬼を恨み、鬼を憎み、鬼殺隊士となった伊黒小芭内
そして… 伊黒小芭内は、自分の生まれた家から逃げ出し、逃げる途中で蛇鬼に追いつかれましたが、すんでのところで当時の炎柱によって救われましたが…
「あんたが逃げたせいで みんな殺されたのよ!! 五十人死んだわ あんたが殺したのよ 生贄のくせに!! 大人しく喰われてりゃ良かったのに!!」
と従姉妹から罵られ、嫌というほど心を抉られています。
そして、背負わされた業が重すぎ、普通の人生は歩めなかった伊黒小芭内は、鬼殺隊の隊士となり、やり場のない思いは全て鬼に向け、ひたすら鬼を恨み憎みました。(鬼滅の刃22巻 第188話)
蛇柱となった伊黒小芭内
そして… 伊黒小芭内は蛇の呼吸を会得し、蛇柱となったわけですが…
蛇鬼の生贄にされるために生まれた時から座敷牢に閉じ込められ続け…
蛇鬼によって口を切り裂かれ…
蛇鬼が当時の炎柱によって倒された後もずっと蛇鬼のことを恨み、憎み続けたはずの伊黒小芭内が…
なぜ蛇の呼吸を会得し、蛇柱となったのでしょうか?
蛇鬼の生贄になるはずだった伊黒小芭内がなぜ蛇柱になったのか?
伊黒小芭内は蛇鬼を恨み、憎んでいても蛇を恨み、憎んではいなかった
伊黒小芭内は蛇鬼を恨み、憎み、そのために蛇鬼だけではなく鬼全体のことを恨み、憎んでいましたが、蛇のことは恨み、憎むようにはなっていませんでした。
自分が閉じ込められていた座敷牢に迷い込んできた蛇=鏑丸のことを親友にしていたわけですから間違いありません。
ですから、自らの会得する呼吸が蛇の呼吸となり、自分が蛇柱となったことに特に嫌悪感などなかったものと思われます。
伊黒小芭内には蛇の呼吸への適性があったことは疑いようがないが…
蛇の呼吸の変幻自在な剣技、うねるような太刀筋への非情に高い適性を伊黒小芭内が持っていたことは疑いようがありませんが…
もしも、蛇鬼への嫌悪から転じた蛇への嫌悪を伊黒小芭内が持っていたら、蛇の呼吸の会得は無理だったのではないかと思います。
伊黒小芭内が蛇柱たり得たのは、蛇鬼を恨み、憎んではいても、そのことによって蛇を嫌悪するようにはなっていなかったからこそなのでしょう。
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※この記事は集英社刊ジャンプコミックス・吾峠呼世晴著「鬼滅の刃」1~23巻、「鬼滅の刃公式ファンブック鬼殺隊見聞録」、「鬼滅の刃公式ファンブック鬼殺隊見聞録・弐」などを資料にしています。
本文中( )内に鬼滅の刃○巻 第○話とある場合は該当巻・該当話を参照したことを意味します。