ジョジョの奇妙な冒険考察｜エンリコ・プッチが目指した奇妙な天国
エンリコ・プッチは「天国」を作ろうとしていた
「ジョジョの奇妙な冒険ＰＡＲＴ６ストーンオーシャン」のラスボス＝エンリコ・プッチ神父は、親友であったＤＩＯの意志を継ぎ、「天国」を作り出そうとしていました。
そして、エンリコ・プッチは、宇宙を一巡させる事によって「天国」を完成させようとしていましたが…
彼の目指していた「天国」は、宇宙が一巡する寸前のところで空条徐倫の意志を継いだエンポリオ・アルマーニョによって阻止されました。（ストーンオーシャン17巻 ホワット・ア・ワンダフル・ワールド）
エンリコ・プッチが目指していた「天国」とは
エンリコ・プッチが、宇宙を一巡させることによって実現した「天国」では
・未来を一巡して始まった「新しい宇宙」では運命が同じように繰り返される
・人類は未来の全てを体験し、新しい世界へ到達した
という事になるはずでした。
そして、その世界の人類全員が、「加速した時の旅」によって、既に未来を体験しているので…
これから自分の未来に何が起きるのか（いつ事故に遭い、いつ病気になり、いつ寿命が尽きるのか）などを全て知っていて…
さらに人類全員が、戦争がいつ起こり、時代がいつ変わるのかを知っている状態になるといいます！
そして、その状態こそが人類にとって、全ての人間にとって「幸福」であるとｒンリコ・プッチは確信していました！
それは未来を知ることによって「覚悟」ができるからであり… 「覚悟した者」こそが「幸福」だらかなんだそうです！（ストーンオーシャン17巻 メイド・イン・ヘブン その⑨）
一巡後に始まった「新しい宇宙」で運命が同じように繰り返されるというのも、人類全員が未来に何が起きるのかを知っている状態になるというのは…
実に不思議な事で、はたして完全に宇宙が一巡していたら、エンリコ・プッチが確信していたように彼のいう「天国」が完成していたのかどうかも疑問に思えなくはありませんが…
エンリコ・プッチが、そう確信していて、実際に彼のスタンド「メイド・イン・ヘブン」によって宇宙が、ほぼ一巡していたのですから…
エンポリオ・アルマーニョによって阻止されることなく、宇宙が一巡していたら、エンリコ・プッチが作ろうとしていた「天国」は実現していたという事にしておきましょう！
ですが… その「天国」は本当にエンリコ・プッチが、そう確信していたように「天国」だったのでしょうか？
エンリコ・プッチが目指した「天国」は本当に「ＨＥＡＶＥＮ」だったのか？
エンリコ・プッチは「覚悟」は「絶望」を吹き飛ばすと確信していたが…
エンリコ・プッチは、自らが実現しようとしている「天国」についてエンポリオ・アルマーニョに語っていた時に
「悪い出来事の「未来」も知る事は「絶望」と思うだろうが 逆だッ！」
「明日「死ぬ」とわかっていても「覚悟」があるから幸福なんだ！」
「「覚悟」は「絶望」を吹き飛ばすからだッ！」
と言っていましたが…（ストーンオーシャン17巻 メイド・イン・ヘブン その⑨）
はたして本当にそうなのでしょうかね？
悪い出来事の「未来」を知っていて、しかも、その「未来」を回避することが不可能となれば… 「覚悟」する前に「絶望」してしまう者も出てくるのではないかと…
いえ… それどころか「覚悟」する前に「絶望」してしまう者の方が多いのではないかと思ってしまうのですが、どうなのでしょうかね？
それに… 事故に遭うとわかっている者は、それでも事故を回避することはできず、事故に遭うように行動するようになってしまうのでしょうかね？
それって、どう考えても「天国」ではなく「地獄」なのではないかと思えますよね？
人類全員が「未来」を知っていても戦争は起きるのか？
そして… エンリコ・プッチが語っていた事を信じれば、人類全員が「未来」を知っていても戦争は、一巡する前の世界と同じように始まり、同じように終わることになるようですが…
敗戦することがわかっている国の指導者たちは、敗戦という結果がわかっていても、それでも戦争を始めてしまうのでしょうかね？
それもまた、どう考えても「天国」ではなく「地獄」ですよね？
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※この記事は集英社刊ジャンプコミックス・荒木飛呂彦著「ジョジョの奇妙な冒険ＰＡＲＴ６ストーンオーシャン」1～17巻を資料にしています。
本文中（ ）内にストーンオーシャン○巻 ○○○とある場合は「ジョジョの奇妙な冒険ＰＡＲＴ６ストーンオーシャン」該当巻・該当話を参照したことを意味します。
